「故人」を再生

人格データをクラウドからダウンロードしてロボットに吹き込むことによって、亡くなった親族や有名人の「性格」を持つロボットが身近な存在になってくるかもしれない。
米IT大手グーグルが、ロボットに特定の性格などを植え付けられるシステムの米国特許を取得したそうだ。グーグルは様々な活用法を想定し、「実社会に多大な恩恵をもたらす画期的システム」と自賛しているが、一部のメディアは人間の能力を超える人工知能を備えたロボットの出現が人類に災禍を及ぼすとする「2045年問題」への第一歩だと警鐘を鳴らしているようだ。
特許は2012年4月に出願され、3月31日に登録された。性格の作成方法は明らかになっていないが、人間の意識の正体やメカニズムはまだ医学的にも解明されていないことから、動画や音声などのデータを解析して、パターン分類的に特徴を抽出する方法などが取られるとみられている。人の様々な特徴に基づく性格情報がデータベースに蓄積され、ネットワークを通じて情報を処理するクラウド技術を活用し、ロボットに性格データをダウンロードするというのが特許技術の基本的な仕組みだそうだ。例えば、特定の個人に性格を含めて話し方や表情などを似せることが可能で、亡くなった親族らに似せたロボットを身近に置くことによって心痛を和らげたりする活用法も考えられる。またクラウドベースなので、ユーザーが旅行の際、自宅のロボットを持ち運ぶことなく、移動先で別のロボットに同じ性格をダウンロードすることもできるという。さらに故人も含めて実際の人間の性格をロボットに植えつけるのではなく、自分好みの性格を自分好みの外見をしたロボットに載せることもできる。このため、ホテルや飲食店などが酒を一緒に飲んだりする接客用のロボットを顧客の好みに合うようにセットするといった使い方も想定されているそうだ。
だが、こうしたグーグルの試みに批判的な見方もある。「グーグルによる人格ロボットの特許取得は『技術的特異点』に至る第一歩だ」という声もある。技術的特異点とは、人間を超えるロボットが出現する時点を指し、2045年に訪れると主張する発明家もいる。技術的特異点が来れば、ロボットは自身を構成するプログラムをより高度なものに勝手に書き換え、やがて地球を支配。人間は肉体を失い、意識のみがロボットの中で息づく状態に陥ることなどが想定されると警鐘を鳴らしている。果たしてそんなSFような未来が本当にやってくるのだろうか。